2010年6月9日水曜日

公有水面埋め立てに慎重審議を求める陳情提出

PDFはこちら

高砂市議会殿

高砂の海をこれ以上埋め立てる公有水面埋め立てへの慎重審議を求める陳情

2010年(平成22年)6月9日


陳情者  中西一智  荒井町小松原1-14-3-102

井奥雅樹 荒井町新浜2-19-9


高砂西港の公有水面埋め立てについて拙速な議論を危惧し、以下の対応を求めます

(1)議論が未成熟な中、6月議会での早急な議決を行わないこと

(2)議決までに少なくとも1回は市内全域対象の住民説明会を開催すること


<趣旨>

 新聞報道によりますと、この6月議会に高砂西港を一部埋め立てる公有水面埋め立てが議案として提出されると聞いています。高砂市はかつて自然浜を埋め立てて企業を誘致した歴史があります。その歴史を完全否定するわけではありませんが、あまりに過剰な埋め立てが経済発展の一方で自然を破壊し、市民の海に入る権利を侵害したことを忘れるべきではありません。その後、高砂が発祥となり全国に広がった「入浜権」運動の成果として、向島海浜公園やあらい浜風公園が設置されて浜へ入る権利が一部実現したわけですが、いったん破壊した自然は二度と戻りません。浜の復活や海へのアクセスに多大な公共投資を行うこととなりました。

 後知恵になりますが、浜の一部を保全し、産業と環境の両立を図ることでムダな再開発費用を抑えることもできたと思われます。当時にもっと慎重な審議と柔軟な発想があれば、そうした計画も可能だったはずです。

 今回の高砂西港の公有水面にも同様の危惧を感じます。そもそも本来はこの計画は「みなとまちづくり構想」および「高砂西港再整備計画」での議論を受けて出てきたものです。PCB盛立地、高砂西港の公共埠頭整備、そして公有水面埋め立てによる三菱重工専用埠頭の整備は3つが一体となった計画のはずです。さらに、高砂市はそれに加えて大木曽水路の整備や沖浜平津線の延伸までも含めて議論をされていると聞いています。

 ところが、そうした議論をすべて飛ばして「公有水面埋め立て」だけ唐突に議決されることに違和感を感じます。整備に伴う公共埠頭の県事業の浚渫との関係、「整備計画」にあった緑地の整備がどのようになるのかがみえてきません。また、HPを見ても「高砂みなとまちづくり協議会」や「高砂西港再整備協議会」でも今回の議案にあたる資料での議論がされたと思われません。何より全市を対象にした説明会も開催されていないのは致命的です。

 このような状態の中で6月議会で決定することは「高砂の海をさらにこれ以上埋め立てる」という自然を破壊する行為に対して、あまりに拙速といえます。幸いにもゴミ焼却施設委託の問題で7月臨時議会も開催予定と聞いています。

 ぜひとも少なくとも1回は全市対象の住民説明会を開催し、閉会中委員会審査なども活用し、最低でも7月臨時議会まで議論を続けていただくことを希望します。そして、議論に不足や対立点があれば、きちんと8月より始まる市議会議員選挙でも議論いただき、当初の予定通り新しく構成された議会で議決することを望みます。

0 件のコメント:

コメントを投稿